一般部門 募集要項

防災には気が進まなくても、普段使うものがデザインされていて使いやすく、それが災害時にも役に立つものであれば、自然に防災環境が整います。これは災害の多い日本において大切な考え方です。特に建築やまちづくりにおいては、大切な人を守ることとなり、そこには持続可能性が求められます。このコンクールは既にある建築物やまちづくり活動を対象とし、それが、普段においても豊かであり、災害時にも役に立つデザインである、あるいは、意識はしていなかったが、改めて解釈するとこれに当てはまる、という良質かつ魅力的な事例を求めるものです。

例えば、皆が楽しんでいるこの広場、一部屋根があり雨に濡れないので、災害時にはトリアージや支援物資の配給場所に役立ちそうだ、という解釈です。当てはまりそうな事例、是非、応募してください。(JCAABE代表理事 連健夫)

1.一般部門審査員(敬称略、五十音順)

市古太郎東京都立大学都市環境科学研究科教授/JCAABE特別顧問

私は,都市計画・まちづくりを専門としつつ、都市防災と災害復興を研究教育の柱としています。揺れ・火災・津波・液状化・斜面崩壊といった複合的な被害が発生した能登半島地震も経験し、日常的なデザインの中に、非日常の思考を入れておくことには大きな関心が寄せられているかと思います。それは耐震・耐火・耐水といった要素に加えて、電力自家発電やマイクログリッドなど、最先端のスマートライフとの関係性からもです。そのような視点から、作品審査、楽しみにしています

岩瀬涼子建築家/岩瀬諒子設計事務所主宰/京都大学助教

1984年新潟県生まれ。京都大学大学院工学研究科修了。EM2N Architects (スイス)、隈研吾建築都市設計事務所を経て、大阪府主催河川沿い広場の設計コンペにおける最優秀賞受賞を機に、岩瀬諒子設計事務所を設立。当該作品を堤防のリノベーション「トコトコダンダン」として2017年に発表。建築空間、土木インフラやパブリックスペースのデザインまで、領域横断的に設計活動を行う。主な受賞に、日本造園学会賞、グッドデザイン金賞、藝大美術エメラルド賞など。2020年ヴェネチアビエンナーレ日本館の出展作家として選出。2023年スイス連邦工科大学 客員講師

田中元子株式会社グランドレベル 代表取締役社長

建築コミュニケーターとして建築関係のメディアづくりに従事後、2016年「1階づくりはまちづくり」をモットーとする株式会社グランドレベルを設立、2018年私設公民館として「喫茶ランドリー」を開業、同年グッドデザイン特別賞グッドフォーカス賞(地域社会デザイン)。設計コンサルティングやプロデュースなどを全国で手がける。主な著書に「マイパブリックとグランドレベル」「1階革命」(晶文社)ほか

三井所 清典

三井所清典建築家/アルセッド建築研究所主宰

1939年、佐賀県生まれ。東京大学卒業、博士課程修了を経て、アルセッド建築研究所設立し設計活動の傍ら、教育にも関わった(芝浦工業大学名誉教授)。住宅、集合住宅、学校、美術館、医療施設の他、近年は庁舎建築等、中規模木造建築の設計とその普及推進に努めている。HOPE計画、街並環境整備、伝統的建築物群の保全整備等地域に根差した建築・まちづくり活動を続けている。佐賀県立九州陶磁文化館は日本建築学会賞、東京都立晴海総合高校・短期大学はBCS賞受賞など受賞多数、著書「生業の生態系の保全」(建築資料研究社)等

連健夫 JCAABE代表理事/建築家

1956年京都市生まれ。東京都立大学大学院修了、建設会社10年勤務の後、1991年に渡英、AAスクール留学、AA大学院優等学位取得の後、同校助手、在英日本大使館嘱託を経て1996年帰国、連健夫建築研究室設立、建築設計とまちづくり活動を行う。はくおう幼稚園おもちゃライブラリー(栃木県建築景観賞)、ルーテル学院大学新校舎(JIA優秀建築選)、荻窪家族レジデンス(グッドデザイン賞)。著書に「イギリス色の街」「心と対話する建築・家」(技法堂出版)、共著「建築系のまちづくり入門」(学芸出版社)等、港区登録まちづくりコンサルタントとして赤坂や六本木の協議会を支援。早稲田大学、芝浦工業大学非常勤講師として教育にも関わる

山本想太郎 (モデレーター)建築家/山本想太郎設計アトリエ/JCAABEコンペ・プロポーザル相談室長

1966年東京生まれ。1991年早稲田大学大学院修了。1991~2003年坂倉建築研究所勤務。2004年山本想太郎設計アトリエ設立。現在、東洋大学・工学院大学・芝浦工業大学非常勤講師。日本建築家協会 関東甲信越支部デザイン部会長。JCAABE設計コンペ・プロポーザル相談室長。主な建築作品に「磯辺行久記念 越後妻有清津倉庫美術館」、「来迎寺」など。主な著書に「建築家を知る/建築家になる」(王国社)、「みんなの建築コンペ論」(共著。NTT出版)、「超インテリアの思考」(晶文社)など。主な受賞に、オーストラリア建築家協会賞、北米照明学会賞、グッドデザイン賞、AACA賞、東京建築賞などhttp://atyam.net/

2. 開催概要

全応募作品を対象に審査員による一次審査を行い、一次審査通過作品7点ならびに入賞作品3点を選出します。一次審査通過作品7点を対象に、2024年10月27日(日)に公開審査会を行います(会場:総合資格学院 新宿校,入賞作品3点は展示のみ)。公開審査会では、発表者によるプレゼンテーションおよび審査員による質疑応答を行い、最優秀賞、審査員賞を決定します。また入賞以上の作品は作品展示会(会場:art gallery &Legion)にて展示されます。

3. 応募資格者

以下の①〜③を満たす個人や団体、自治体等。

  1. 応募する作品、活動等のデザイン、企画、運営、マネジメントのいずれかに関わった者であること。
  2. 応募者を代表として本応募を行うこと、また各関係者の情報、プロジェクトの情報等が本コンクールを通して公開されることについて、対象物の所有者およびプロジェクトの各関係者の合意を得ていること。
  3. 2024年10月27日(日)総合資格学院新宿校にて開催される公開審査会に代表者が現地参加できること(一次審査を通過した場合)。

4. 作品条件

以下の①〜⑥の全てを満たすことを応募作品の条件とします。

  1. 建築・まちづくりに関する、日常と非常時をつなぐデザインであること。
  2. すでに実現しているものであり、建築・施設・物品といったハードウェア、あるいは活動やシステムなどのソフトウェアのいずれか、または両方を含むこと。
  3. 提出物(プロジェクトデータ)内に以下の内容を正確に示すこと。

    • プロジェクト名称(施設名・活動名・システム名等)
    • 所在地または対象エリア
    • 完成・実施年
    • 関係者(団体)概要(事業者・所有者・設計者・企画者・施工者・運営者・協力者等)
    • 建造物の構造・規模等
  4. コンセプトやプロジェクトの全体像が、わかりやすく示されていること。
  5. 提出物に用いる写真や図版に他者の著作物を用いる場合は、著作権者の許可を得ていること。
  6. 個人のプライバシーや個人情報等に配慮すること。

<審査における評価ポイントとなりうる内容>

※あくまでも参考であり、応募条件ではありません。またこのポイントだけで評価するものでもありません。

  1. 日常時に役に立ち非常時にも役に立つ:誰にとっても分かりやすい、使いやすい、など。
  2. 経済的、社会的に持続可能性がある:時代の変化に対応できる、フレキシビリティーがある、など。
  3. 人の繋がりがある:利用者参加や住民参加がある、様々な世代に配慮されている、多くの人を巻き込む仕掛けがある、など。
  4. 街や暮らしの豊かさがある:建築と関係性のあるまちづくり活動である、地域に開かれた建築である、歴史や文化との関係性がある、など。
  5. プロセスが表現されている:積極的な住民参加、設計者が運営にまで関わっている、など。
  6. SDGsに配慮されている:地域の特徴が反映されている、地球環境にやさしい、バリアフリーに配慮されている、など。

5. 応募方法とスケジュール

STEP 1|応募者データ登録(2024年9月17日23:59まで)

以下のURLより応募者データ、作品データを登録する
登録内容:代表者氏名/所属/メールアドレス/携帯電話番号/住所
プロジェクト名称(施設名・活動名・システム名等)/完成・実施年/一次審査提出物

STEP 2|プロジェクトデータ提出(2024年9月17日23:59まで)一次審査提出物

以下のURLよりプロジェクトデータを提出する
作品データは、A, B, Cのうちいずれか一方の形式を選択し、作成してください。

A:プレゼンテーションシート

A3 1枚(横使い)/書式自由/PDF形式10MB以下でアップロード
ファイル名は【 チーム名もしくは代表者氏名-プロジェクト名.pdf 】としてください
(例:適正太郎-みんなの広場.pdf)

B:動画

3分以内/アスペクト比自由/MP4形式600MB以下でアップロード
ファイル名は【 チーム名もしくは代表者氏名-プロジェクト名.mp4 】としてください
(例:teamT-街のテラス.mp4)

C:プレゼンテーションシート+ショート動画

プレゼンテーションシート:A3 1枚(横使い)/書式自由/PDF形式10MB以下でアップロード
動画:1分30秒以内/アスペクト比自由/MP4形式300MB以下でアップロード
ファイル名は【 チーム名もしくは代表者氏名-プロジェクト名.pdf】と【 チーム名もしくは代表者氏名-プロジェクト名.mp4 】のように両ファイルに同じ名前+拡張子としてください
(例:田中太郎-ゆるやかな場.pdf、田中太郎-ゆるやかな場.mp4)
※プロジェクトデータ(シート、動画)内に、必ずプロジェクト名称を記載してください。また応募者データ登録、プロジェクトデータ内、提出ファイル名において、プロジェクト名称は必ず同じものとしてください。

●公開審査会(一般部門)

内容 一次審査で選定された上位作品7点の応募者によるプレゼンテーション(各7分間)、審査員による質疑、最終審査、各賞の表彰を、公開の会場でおこないます。また対象の作品7点および次点の入賞作品3点については、会場に展示されます。
日時 2024年10月27日(日) 14:00~17:00 (17:00~18:00 懇親会)
場所 総合資格学院 新宿校 (東京都新宿区西新宿1-26-2 新宿野村ビル3F)

●作品展示会

内容 一般部門、学生部門の受賞、入賞作品(各10点)を公開展示します。
日時 2024年11月21日(木)~26日(火) 12:00~18:00(最終日は17:00まで)
場所 art gallery &Legion(アートギャラリー&レジオン)(東京都千代田区神田神保町2-11 三橋ビル1F)

●進行表

質疑回答 応募 一次審査 公開審査会 作品展示会
コンクール内容に関する質疑への回答 STEP 1
応募者データ
登録
STEP 2
プロジェクトデータ
提出
審査員による一時審査結果を発表 一次審査通過作品を対象に公開審査会を開催 入賞以上の作品の公開展示
日程 7月31日まで受付。8月10日に回答発表 2024年9月17日 23:59まで 9月30日 10月27日 11月21日 〜 26日
方法 メールで質問提出
→回答はHPで発表
HPより入力 HPよりアップロード HPにて発表 一次審査通過者によるプレゼンテーション

6. 各賞

  • 最優秀賞1点:賞金10万円/作品展示会における展示
  • 審査員賞6点:賞金3万円/作品展示会における展示
  • 入賞3点:公開審査会・作品展示会における展示

7. 留意事項

  • 失格について

    以下に該当するとみなされた場合は失格となり、提出物は審査対象外となります

    • 本要項に照らして内容の違反、不足がある場合
    • 応募登録あるいは提出物において、応募者データ、プロジェクトデータに虚偽がある場合
    • 他者のプライバシー、権利等に損害を与えるような内容が含まれる場合
    • 期間内の登録や作品データ提出がなかった場合(登録とデータ提出の両方が必要)
  • 個⼈情報の取り扱いについて

    個⼈情報は、応募登録及び審査に使用し、他の目的に使用することはありません。ただし、氏名・学校名・学年を公開することがあります。

  • 応募作品の著作権について

    著作権は応募者に帰属しますが、主催者はコンクールのアーカイブ作成や入賞作品の発表に伴う広報活動などの目的で、応募作品の著作権を使用できるものとします。

8. 質疑回答

・本コンクール(一般部門)について質疑がある場合は、メールにて下記に提出してください

JCAABE建築まちづくりデザイン・コンクール実行委員会」
一般社団法人日本建築まちづくり適正支援機構内
〒103-0012 東京都中央区日本橋堀留町1-11-4日本橋吉泉第二ビル5階
電子メール:jcaabecontest@gmail.com

・提出期限

2024年7月31日

・回答(予定)

2024年8月10日(コンクールHPにて発表)

(以上)

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