カイロ旧市街保存まちづくり

文化庁令和3年度緊急的文化遺産保護国際貢献事業(専門家交流)

「カイロ旧市街の持続可能な保護策のための事業/住民参加のまちづくり」

受託の経緯

日本学術振興会カイロ研究連絡センターの深見奈緒子センター長(博士)からお声掛けいただき、JCAABEが契約者として、カイロ側と日本側との連携で事業を行うことになりました。

・日本学術振興会カイロ研究連絡センター
https://jspscairo.com/about/

・カイロ旧市街で以前に実施された「スーク・シラーハのプロジェクト」
https://www.facebook.com/souqalsilah

・スーク・シラーハのプロジェクト「ユネスコでの掲載」
https://whc.unesco.org/en/canopy/cairo/

業務の目的

エジプト、カイロ旧市街は世界遺産登録された歴史的価値を持つ地域であり、アラブ文明特有の細街路や袋小路を特徴とする都市組成をもつ。その一方で所有関係が重層し、正規の登録を伴わない建物も多い。このような状況において、旧市街はインフォーマル街区とみなされ、住環境向上のために再開発により破却される可能性があることから、文化遺産の保全に関して、緊急度の高い危機的状況にある。
エジプト政府との関係に関しては、エジプト側協力者アズハル大学教授サラー・ザキー氏より、当該地区内で事業を進めるエジプト軍所属建築家アシュラフ・エルアラビー氏を紹介され、現在折衝中である。一方、エジプト側協力者メヌーフィヤ大学教授アラー・エルハブシー氏が、エジプト観光考古省およびエジプト文化省と本プロジェクト進行について折衝中である。
なお、在カイロの国際機関および諸外国プロジェクトの関係は以下の通りである。ユネスコ在カイロ事務所の高橋暁氏とコンタクトを取って、ユネスコの旧市街における無形文化遺産調査と協力的な関係を築いていくことを約束した。また、ドイツ考古学研究所で当該地域での歴史的建造物の修復を担当しているムスタファ・トゥペオ氏およびエマーン・ショクリー氏と会合を持ち、調査協力の同意を得た。さらに、ワールド・モニュメント・ファンドのパブロ・ロンゴリア氏およびジェフ・アレン氏との協力関係を構築した。
現状の問題点として、エジプト政府は世界遺産としてのカイロ旧市街に対するユネスコからの勧告を案じている。一方、海外の諸プロジェクト間の情報交換は限られている。今後の予定としては、エジプト政府とこれらの海外諸機関をつないで調整を行う一方、エジプト政府側の方針にそぐう形で、日本での歴史的街区保全に対する蓄積からの協力関係を模索する予定である。
当事業では、地域の特徴を活かした建築都市遺産更新のために、日本に蓄積されたまちづくりの手法を援用し、迅速にまちづくりのシステム構築を試み、1)歴史的建造物の現状リストの作成、2)まちづくりの方向性や基準の立案、3)まちづくりにおける住民参加の仕組づくり、4)行政や住民のための手引書作成、5)旧市街のあるエリアにおけるまちづくり更新案の作成を実施する。日本でのまちづくりの経験からの知恵を適応することでカイロ旧市街の問題の解法を導くことが、本業務の役割であると考える。(なお、ここでいうまちづくりとは、既存の歴史的旧市街の都市組成を保存しながら、住宅地としての質を高め、住民が暮らしやすい街にしていく過程のことを指す。)
これらの事業を通して、今後のカイロ旧市街の持続可能な保護策を模索し、具体的な展開に繋げることを目的とする。

参加専門家

●エジプト側
・深見奈緒子(JSPSカイロセンター)
・柏木裕之(太陽の船、東日本国際大学)
・檜山元一郎(カイロ小児病院、日本設計)
・サラー・ザキー(アズハル大学)
・アラー・ハブシー(メヌーフィヤ大学)
・ハイジ・シャラビー(文化省NOUH)
・ムハンマド・ソリマン(エジプト観光考古省)
・アシュラフ・エルアラビー(エジプト軍)
・ムスタファ・タペオ、エマーン・ショクリー(ドイツ考古学研究所)
・パブロ・ロンゴリア、ジェフ・アレン(ワールド・モニュメント・ファンド)

●日本側
・連健夫(JCAABE代表理事)
・布野修司(日本大学)
・岡田保良(国士舘大学)
・荒牧澄多(川越まちづくりNPO役員、JCAABE会員)
・磯野哲郎(国際開発センター、JCAABE会員)
・宍戸克実(鹿児島県立短大)
・松村哲志(日本工学院専門学校、JCAABE理事)

文化庁、採択通知書

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文化庁、契約書

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進捗

キックオフミーティングを10月25日に行い、事業内容と今後の計画を共有しました

(出席者:深見、磯野、荒牧、宍戸、布野、岡田、柏木、檜山、連)

エジプト側建築家、サラー氏とのオンラインミーティングを11月7日に行い、意見交換を行いました

(出席者:サラー教授、連、檜山、宍戸、柏木、荒牧、岡田、深見)

 

深見氏が12月23日に、「文化遺産コンソーシアム」で発表をしました

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エジプト側、建築家のために、参考資料「保存まちづくり/住民参加のワークショップ・ファシリテーション」(英語版)を作成しました

これは、文科省事業「まちづくりファシリテーター養成講座」成果報告書のテキストの序章、建築設計と参加のデザイン、まちづくりの手法をアレンジしたものです。

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【住民ワークショップ】を実施しました

■趣旨:シーク・シラーハのイスラム建築と街の良さを住民と共有し、6つの対象建物のコンサベーションにおける『何が問題で、何を求めるか』、『このエリアに何が必要か』の意見・要望を聞く。発表内容について日本側からコメントを行う。これらはこのエリアと6つの歴史的建物のリノベーションデザインの材料になる。

□スークシラーハ地図

□6つの対象建物
・宮殿(邸宅)マンジャク・シラーフダール邸 Palace of Manjak Silahdar
・公衆浴場(ハンマーム)はハンマーム・(アミール)・バシュターク Hammam(Amir) Bashtak
・イルゲイ・ユーズフィーモスクに附設されたサビール・クッターブ Sabil Kuttab attached Mosque of Ilgay Yusufi
・サビール・クッターブ・シナン・パシャ(ウィカーラに附設)Sabil Kuttab Mustafa Sinan attached Wikala
・サビール・クッターブ・ルカイヤ・ドゥドゥ Sabil Kuttab Ruqayya Dudu
・サビール・クッターブ・ハサン・アガー・コーカリアーン Sabil Kuttab Hasan Agha Koklaian

■日程・方式→ハイブリッドオンライン開催、(会場はグループ配置)
・第一回(1月8日13~16時、日本時間20~23時)女性
・第二回(1月9日13~16時、日本時間20~23時)男性
 2時間ワークショップ、1時間食事会

■役割分担
・カイロ側:深見(司会進行)檜山と柏木(ホストPC、カメラ) ※通訳とはZOOMで繋げる。
説明・ファシリテーター→サラー氏、アラー氏(8日)、ファリス(9日)
記述助手→ファリス、ハーガル、ファーティマ、エマド
日本側への説明助手→サブリーン、サミール

・日本側:連(WC説明、コメント)、松村(サブPC)
コメント→布野、岡田、磯野、荒牧、宍戸

■プログラム
①挨拶とスタッフ紹介(深見)

②日本側スタッフ紹介とワークショップ説明(連)(PDF

③スーク・シラーハへの思い(サラー氏)(PDF) アラー氏(PDF

④6つの歴史的建築の特徴、期待される利用の説明(深見)(PDF

⑤グループディスカッション

⑥グループ発表 ワークショップまとめシート(PDF

⑦日本側からのコメント(写真)(写真
・布野、岡田、磯野、荒牧、宍戸、連

⑧まとめ(深見)

〇アンケート

〇食事会

 

ご相談・お問い合わせ

一般社団法人日本建築まちづくり適正支援機構・事務局

〒103-0012
東京都中央区日本橋堀留町1-11-4日本橋吉泉第二ビル5階 (最寄駅:日比谷線小伝馬町出口3徒歩2分)

電話:03-3524-7224 FAX:03-5847-8236

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